The Art of the Deal 2019 1 20

書名 2019年アメリカはどこまで中国を崩壊させるか
著者 渡邉 哲也  徳間書店

 学者や評論家は、
「トランプ大統領は、予測不可能だ」と書くことが多いでしょうが、
実は、わかりやすい人物です。
 私は、日本で「トランプ自伝」(Trump: The Art of the Deal)が出版されたころから、
トランプ氏を経営者として注目していましたが、
あの頃は、トランプ氏は、やせていて細身だったと記憶しています。
 トランプ氏の体型は大きく変わってしまいましたが、
交渉術(The Art of the Deal)は、今も昔も似たようなものかもしれません。
 さて、前置きが長くなりました。
書評を始めましょう。
「2019年アメリカはどこまで中国を崩壊させるか」という本の書評です。
 さっそく、この本から引用しましょう。
交渉相手に対して、しばらく猶予を与え、
実現不可能となれば、一気に攻撃に回るのが、
トランプ大統領の常套手段である。
 2017年7月の米中首脳会談では、
習近平氏は、北朝鮮問題や貿易不均衡の是正について、
100日間で結果を出すと、トランプ氏に約束したが、
結局、何の成果もなかったため、
トランプ氏は、中国との貿易戦争を決意し、
北朝鮮についてもアメリカ主導で交渉するようになった。
(引用、以上)
 もし、オバマ大統領だったら、違う展開になったでしょう。
オバマ氏は、生粋の政治家なので、
「政治家が約束を守らないのは、人類共通の法則である」と理解しているので、
習近平氏の約束が、口約束に終わったとしても、
「政治家とは、そういうものだ」と思ったでしょう。
 しかし、トランプ氏は、生粋の「経営者」どころか、
自分で「The Art of the Deal」と言う人物なので、
もし、口約束で終わったら、激怒するでしょう。
 中国は、情報収集が不足しているのです。
いつも情報不足の中でアメリカと交渉しているから、
交渉するたびに窮地に追い込まれていくのです。
 トランプ氏は、政治家ではなく、
「The Art of the Deal」を生きがいにしている人物だと思ったほうがよいでしょう。
 私は、トランプ氏に対しては、
「体型は大きく変わったが、昔から変わっていない」と思っています。
 もちろん、日本も、中国の窮状を批判できる資格はありません。
日本の政界や学界は、トランプ大統領が登場した時に、
戸惑いや混乱で迷走していました。
 一方、日本の経済界は、
トランプ大統領が、どういう人物かをすぐに見抜きました。

































































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